『漢方小説』
主人公のみのり(31歳)は、不調を抱えて4件も病院に行くのだけれど検査をしても異常なし。
そこで行き着いたのが東洋医学のクリニックというストーリーです。
主人公も周りの友人も東洋医学に詳しくない、むしろ不信感さえ抱いている状況からスタートし、
少しずつ理解を深めていくので、東洋医学の特徴がすんなりと入ってきます。
◆印象に残ったところ。
どれも言い得て妙です♩
「自然治癒力に頼るところが大きかった古代の医学が基礎になってるので、個人レベルで根本から治していくことに重点がおかれているわけです。だから強いてつけるとしたら、あなたの病名は『色々なところが弱い』というあなただけの病気です」
「例えばNBAで言うと、西洋医学の薬は、怪物みたいにデカいMVPプレーヤーがいる勝率の高いチーム。
漢方薬は、アシスト、リバウンド、スリーポイントなんかがうまい、そこそこの選手が揃ってるけどファイナルまでいけないチーム」
「東洋医学って西洋医学と違って目盛りがないんですよね。水と火とか、邪気と正気とか、すべて相対的というか、シーソーみたいにバランスで考えるんですね。
そのシーソーが動き続けているわけです。あるとこまで上がると今度は下がっていくし、下り切ればまた上がる。変化し続けて元に戻る。
自然と同様、人の体は絶えず変化し、また循環しているという考え方ですね。」